羽毛布団の選び方エアコン性能を知るためのダウンパワーの目安

羽毛布団ダウンパワーの目安

前回のページでは、羽毛布団が持つ天然のエアコン性能はフェザーではなくダウンにあること、羽毛布団に含まれるダウンの量を知るためのダウン率についてご紹介しました。

ダウン率が同じ羽毛布団の値段が3倍違う理由
ダウン率が同じ羽毛布団の値段が3倍違う理由
湿度を調整したり、空気を含んであたたかいのが羽毛布団の特徴ですが、これは「羽根(フェザー)」ではなく「羽毛(ダウン)」の特徴です。羽根布団と羽毛布団の違いと「ダウン率」について解説します。

同じダウン率でも羽毛布団のエアコン性能には違いがあります。その理由は「ダウンボール」の大きさです。

ダウンボール
拡大したダウンボール。羽枝の両側にびっしり生えているのが小羽枝。

水鳥から採れる1つ1つの羽毛をダウンボールと呼び、このダウンボールが大きいほどダウンボール同士がよく絡まり、空気をたくさん含むことができます。

ダウンボールには羽枝(うし)の両側にびっしりと小羽枝(しょううし)が生えているのですが、この小羽枝は、湿度が高くなると閉じ、湿度が低くなると開く「調湿機能」を持っています。

空気をたくさん含むことができればできるほど、温度や湿度の調整がしやすくなります。

ダウンボールが大きい羽毛布団を選ぶのが、布団内の温度と湿度を快適に保ち、熟睡するための大事なポイントです。

このページでは、ダウンボールの大きさを品質表示から見分ける方法と、ダウンパワーの目安について解説します。

ダウンボールの大きさに影響する3つのポイント

ダウンボールの大きさに影響するのは、主に

「1. 水鳥の種類」
「2. 水鳥の産地」
「3. 水鳥の飼育期間」


の3つです。

水鳥から採れる羽毛は工業製品ではなく、自然の産物です。実際は、同じ産地・同じ鳥種であったとしても、農場や、個体個体によってダウンボールの大きさは異なります。

とはいえ、購入のたびに羽毛布団を解体してダウンボールの大きさを確認するわけにはいきませんので、消費者がダウンボールの大きさを簡単に知る目安としての「ダウンパワー」について解説します。

1. 水鳥の種類によるダウンボールの違い

羽毛布団に使われる羽毛は、主にダック(Duck/アヒル)とグース(Goose/ガチョウ)の2種類の水鳥から採取されます。

鶏や七面鳥に代表される陸鳥は、フェザー(羽根)のみでダウン(羽毛)がありません。

水辺に生息する水鳥は、とくに胸元あたりに保温力の高いダウンをまとい、翼にあたる部分にフェザーをまとっています。ダウンが肌着、フェザーが上着の役割を果たしているというわけです。

ダウンがあることで水鳥は寒さから身を守ることができ、ダウンの中に空気を含めることで、水に浮くことができます。

水に浮かぶグース
水に浮かぶグース

通常、水鳥1羽から採取できるダウンは10g程度で、とても貴重な天然資源です。

このダウンを利用して作られるのが、羽毛布団やダウンジャケットなどのダウン製品です。

ダックとグースの違い

グースとダックの違い

ダックよりもグースの方が体が大きいため、一般的にはグースの方がよりダウンボールが大きくなり、高品質とされています。

しかし、最初にお伝えしたように、ダウンボールの大きさは個体差が大きく、「ダック」か「グース」かよりも、実際のダウンボールの大きさが大事です。

飼育日数の少ないグースよりも、飼育日数の長い成熟したダックの方がダウンボールが大きく、保温性が高い場合も当たり前にあります。

ダックはグースよりも油脂分が多いために洗浄が不十分だと匂いやすいのですが、きちんと洗浄されている清浄度の高いダックであればまったく匂いません。

グースよりもダックの方が安価に手に入るため、清浄度の高いダックであれば、グースよりもコスパ良く性能の高い羽毛布団を購入することができます。

羽毛の最高峰マザーグース

「マザーグース」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

マザーグースというのは、長期間飼育されたグースの親鳥のことです。

マザーグースのダウンボールは大きく、たくさんの空気を含むことができるため、最高級品とされています。

羽毛が成熟しているため耐久性が高く、マザーグースの羽毛布団は長く使用できることも特長です。

2. 産地によるダウンボールの違い

産地もダウンボールの大きさに影響する要素です。

羽毛の産地は北半球に集中していて、ポーランドやハンガリー、チェコ、フランスやスペインなどヨーロッッパの寒暖差の大きな地域や、国土の広大なロシア、中国、カナダなどが代表的な産地国です。最近は台湾産の羽毛も増えています。

羽毛(ダウン)の主な生産地

ただ寒いだけでなく、寒暖の差が大きい地域が良質な羽毛が育つに適していると言われています。

厳しい寒さから身を守るために、保温性の高い大きなダウンボールを身にまとうようになることと、寒暖差が大きいと温度や湿度の調整がより必要になるためです。

中でもポーランドとハンガリーは、土地が肥沃で寒暖差が非常に大きいため、良質な羽毛が採れる産地として世界的に有名です。

ポーランドの冬は氷点下10~20℃に達します。極寒の厳しい冬の中で体温を保つため、ダウンボールが大きく絡まりの強い良質なダウンが育ちます。

日本で販売される羽毛布団のうち中国と台湾産の羽毛が77%を占める中、ポーランド産の羽毛はわずか3%です。生産できる数が限られている分、値段も高価になります。

3. 飼育期間によるダウンボールの違い

鳥種や産地の違いよりもダウンボールの大きさに影響するのが、飼育日数の長さです。

グースかダックかに関わらず、飼育期間が長い方が水鳥が十分に成育し、ダウンボールも大きく育ちます

子供の鳥よりも成熟した大人の鳥の方がダウンボールが大きいので良質な羽毛です。ただし、成長するまで時間がかかるので、その分高価になります。

羽毛の価格は年々高騰しており、市場に流通している羽毛布団の中には、飼育期間が不足し、未成熟な段階で採取した粗悪な羽毛が使われているケースが増えています。

このような羽毛布団でも表示上は「ダウン率90%」になりえますが、ダウンボールが小さいため、羽毛本来の保温性がなく、ふかふか感も感じられない、とても羽毛布団とは呼べない品質になります。

飼育日数の長さを品質表示から見分けるのは難しく、「マザー」「成熟した」などの言葉が入っている場合は飼育期間が長いと推察できますが、それを鵜呑みにするのもいけません。

そこで確認すべき指標が「ダウンパワー」です。

ダウンボールが大きいと、かさ高性が大きくなり、かさ高性が大きいとダウンパワーの大きな羽毛布団になります。

ダウン率が90%でもダウンパワーが低い場合は、羽毛の質について疑ってみた方が良いかもしれません。

羽毛布団の品質を客観的に確認できるダウンパワー

保温性が高く、エアコン性能の高い羽毛布団を選ぶためには、「ダウンボール」の大きな羽毛布団を選ぶことが大切です。

飼育日数の違いによりダウンボールの大きさが異なり、寒暖差の大きな地域で育つダウンにはエアコン性能の高さがより要求されます。

そのような質の高いダウンを厳選して使うことで、軽くてあたたかく、蒸れにくい羽毛布団に仕上がるのです。

ダウンボールの大きさをダウンパワーで判断する

業界団体である日本羽毛製品協同組合が発行するゴールドラベルの基準では、下記のようにラベル毎のダウンパワーが定められています。

ゴールドラベルのダウンパワー基準
ニュー
ゴールドラベル
エクセル
ゴールドラベル
ロイヤル
ゴールドラベル
プレミアム
ゴールドラベル
ニューゴールドラベル エクセルゴールドラベル ロイヤルゴールドラベル プレミアムゴールドラベル
300dp以上 350dp以上 400dp以上 440dp以上

羽毛布団のエアコン性能を重視する場合は、少なくとも400dp以上の羽毛布団を選ぶと良いでしょう。

「充填量は多い方が良い」の誤解

ダウンパワーの大きな羽毛はかさ高が違います。

同じ重さでのふくらみの違い
同じ重さでもダウンパワーでふくらみがこんなに違う(日本羽毛製品協同組合HPより引用)

同じぐらいのあたたかさの羽毛布団を作ろうとすると、ダウンパワーの大きな羽毛を使っているほど、羽毛の充填量を少なくする必要があります。

ダウンパワーが440dpのダウンと、350dpのダウンで充填量を同じにしてしまうと、440dpの方は保温性が高すぎて暑くなってしまうからです。

ダウンパワーの小さなダウンは、かさ高をかせぐためにたくさん充填する必要がありますが、そうすると重量も増しますし、性能の高くないダウンをたくさん入れたところで、睡眠の質が高まるわけではありません。

充填量が多いので購入当初はふっくらしていても、ダウンパワーの低い小さなダウンボールを使っている場合は、すぐにへたってきます。

熟睡するためには布団内を温度33℃前後、湿度50%前後に保つことが大切です。

とくに現代では気密性の高い住宅が増えていますので、ダウンの質と部屋の温度に合わせた適切な量が充填されていることが大切です。

ダウンパワーを十分に発揮するために

熟睡するための羽毛布団を見分ける方法として、側生地の通気性、ダウンの性能を判断するためのダウン率とダウンパワーをご紹介してきました。

この3つを確認すれば、良質なエアコン性能をもった羽毛布団に出会い、ひいては毎日の睡眠の質の改善につながることと思います。

ただし、これらの性能も、羽毛の洗浄度によっては十分に発揮することができない可能性があります。

なによりも羽毛布団は健康な人生を送るために購入するものですから、洗浄が不十分で匂いが気になる羽毛布団を毎日使うのは、健康にとってプラスどころか悪影響の可能性もあります。

最後に、羽毛布団にとって最も大切な「清潔さ」を見分ける方法についてお伝えします。

羽毛布団の清浄度
羽毛の汚れは「清浄度」と「酸素計数」で確認
汚れが残った羽毛はダウンボールに生えている小羽枝が開きずらいため、本来のエアコン性能を十分に発揮することができません。羽毛布団の清潔さを見分ける「清浄度」と「酸素計数」についてご紹介します。

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